人文系寺子屋 野崎塾 イカロスの太陽

市民の市民による市民のための学び舎 前野町カルチャースクール 板橋区前野町6-41-17村越ビル1F 080.3856.7463 野崎

10月の日程は以下の通りです。塾生は随時募集中です。途中入塾可能です。空いている時間にも設定可能ですので、お問い合わせください。ラッセルも今月は休みです。月曜のフランス語中上級とメルロ=ポンティもしばらく休みます。

3日(水)5:30~ 資本論第2
4日(木)4:00~ ハイデガー Einführung in die Metaphysik(休み)
        6:00~
 池田理代子  ROSE DE VERSAILLES 
10日(水) 6:00~ 柄谷行人世界史の構造
11
日(木)4:00~ フッサールデカルト的省察
      6:00~
 ステルネルフランスファシズム論
      Maurice Barrès et le nationalisme français  

17日(水) 5:30~ 資本論第2(9/29 5:30~に変更)
18日(木) 4:00~ ハイデガー
      6:00~
 ベルばら
21日(日)4:00pm~ 第18回イベント(沢尻リラの料理教室(地中海料理)
24
日(水)6:00~ 世界史
25
日(木)2:00~ フーコー 
        4:00~
 フッサール
        6:00~
 ステルネル
29日(月)5:30~    資本論第2巻


10月21日(日)午後4時から沢尻リラさんの地中海料理の教室を開きます。クスクス料理です。4時からじっさいに作る場面をワインを飲みながら見て、5時から実際に味見をするという会です。

リラさんは西荻窪でリラズ・テーブルというレストランを開いていました。10数年以上前になると思いますが、塾長は関西から東京に出てくるときには必ず寄ってクスクス料理をいただいていました。首席補佐官の中山ちゃんは、週に1回くらいのペースで通っていたとのことです。

リラさんは昨年『沢尻リラさんの家庭でつくる地中海料理』という本を角川書店から出版されました。レシピはもちろん、カラー写真入りの綺麗な本です。 リラさんが野崎塾に来て、料理教室を(1回だけ?)開いてくださるとのことです。嬉しい限りです。参加希望の方が多くなりそうなので、20名限定で先着順に受け付けます。事前にメール jiroアットma1.seikyou.ne.jp (アットは半角の@)か電話 080.3856.7463 で申し込みをいただき、こちらから「受付番号」を受け取ってください。それで申し込み完了です。参加費は当日お支払いください。

参加費(材料費込み):塾生 2500円、一般 3000円。料理教室終了後、一品持ち寄りの飲み会です。 

第17回イベント討論会9/30は、会員5名の参加を得て、有意義に終えられました。一般に思われていいる「武士像」と日本史学で練られている「武士概念」との違いが、興味深い問題点を提起しているように思えました。

次回は、 10/21(日)午後4時から、沢尻リラさんによる料理教室(地中海料理)です。詳しくはこちら
http://nozakijuku.blog.jp/archives/34167375.html 

第17回イベントは、貝塚和実氏による討論会です。9月30日(日)午後4時からです。

参加費:会員500円。一般1000円。終了後、一品持ち寄りの飲み会です。

タイトル:「ここまで変わった日本史の常識:武士像の変化」

◆歴史の事実や捉え方は,一見すると不変のように思えますが,時代の移り変わりと共にどんどん変化しています。 国民の常識は,学校で学んだ教科書の知識やテレビや歴史小説の捉え方で作られています。 例えば,司馬遼太郎の坂本龍馬像は大きな影響を与えていますし,教科書に記述されている事実は短期間にどんどん変わっていく訳ではありません。 それでも,去年(2017)の秋に,教科書の記述から,「坂本龍馬」や「吉田松陰」を削ることを高校・大学の教育者が検討していることが報道されました。直接のきっかけは教科書の用語が増えすぎて,大学入試がますます暗記中心になっていることへの危機感がありますが,背景には,龍馬などに対する捉え方の変化があります。 
また,最近の教科書の記述では,「聖徳太子」や「鎖国」という言葉が消えつつあります。 

◆そこで,今回の報告では,歴史に対する捉え方が戦後大きく変化してきたことを説明します。
 

◆その上で「武士」に焦点を当てて,1980年以降に歴史研究で進んだ武士像の変化を紹介して,「武士」とは何だったのかを考えて見たいと恩います。 

◆トピックとしては「武士の誕生」・「古代・中世の武家政権」・「信長・秀吉政権の 評価」・「徳川の平和」・「明治政府の成立」などを考えています。
 

◇報告者貝塚和実:埼玉大学教養学部卒,東京都立大学大学院史学科博士課程修了 埼玉大学教養学部・教育学部で講師を勤める,現在東京立正高等学校講師 
専門:江戸後期~明治期の地方政治(公共政策の展開:製糸業・治水・用水・入会)  

9月1日(土)の朝方、野崎塾長はベルギーから無事帰国しました。今回はポーランド航空を利用した関係で、ワルシャワに立ち寄りました。その空港の免税店で買ったズブロッカをベルギー滞在中の寝酒にしていました。あまりに美味しかったので帰りにも立ち寄り、お土産に持ち帰りました。

突然ですが、来週の9月5日(水)の資本論ゼミの終了後、7時から「ズブロッカを飲むかい」を開きます。一般の方も歓迎ですのでご参加ください。ハム、サラミ、あとベルギーチョコも用意しております。 

5日(水) 3:45~ ラッセル The problems of Philosophy
        5:30~ 資本論第2巻
6日 (木)4:00~ ハイデガー Einführung in die Metaphysik
        6:00~ 池田理代子 LA ROSE DE VERSAILLES  
10日(月)2:30~ フランス語中上級 L'Amant (Duras)
        4:00~ メルロ=ポンティ Les sciences de l'homme et la phénoménologie
12日(水)  3:45~ ラッセル
        6:00~ 柄谷行人『世界史の構造』
13日(木)2:00~ フーコー『狂気の歴史』
    4:00~ フッサール『デカルト的省察』
       6:00~ ステルネル「フランス・ファシズム論」  
19日(水) 3:45~ ラッセル
        5:30~ 資本論第2巻
20日(木) 4:00~ ハイデガー
        6:00~ ベルばら
26日(水) 3:45~ ラッセル
        6:00~ 世界史
27日(木)2:00~ フーコー 
        4:00~ フッサール
        6:00~ ステルネル
30日(日)4:00~ 第17回イベント討論会『ここまで変わった日本史の常識』(貝塚和美)
続きを読む

初めての投げ銭ライブ「肩こりの医療人類学」は、会員4名、一般の方5人の参加を得て盛大に執り行われました。小林昌廣先生の博識に感激しました。持ち込みの飲み会も盛り上がりました。「痛みが生きていることを実感させる」というような意見も出て、議論が深まっていったように思います。「痛すぎない痛み」のゼミを開こうという提案もありました。

次回のイベントは、9月30日(日)午後4時から貝塚和美会員の提案による討論会「ここまで変わった日本史の常識」です。

 Zeef Sternhell の三部作を読む人文ゼミ4(フランス・ファシズム論)は、9月13日(木)午後6時から始めます。以後、第2、第4木曜の午後6時からです。

ステルネル三部作とは:
1. Maurice Barrès et le nationalisme français, Bruxelles Editions Complexe ,1985,  A. Colin et Presses de la Fondation nationale des sciences politiques, 1972.
2. La droite révolutionnaire, 1885-1914. Les origines françaises du fascisme, Paris  Le Seuil, 1978, «Points-Histoire», 1981, «Folio-Histoire», 1997.
3. Ni droite ni gauche. L'idéologie fasciste en France, Paris Le Seuil, 1983, Bruxelles Editions Complexe, 1987.
この3巻の増補改訂版がまとめ,て2000年にFayardから出版されたものを指します。日本におけるまとまった研究書は深沢民司『フランスにおけるファシズムの形成』(岩波書店、1999年)があります。

生きている間に可能かどうかは分かりませんが、3巻読破を目指します。まず、ゼミでは入手しやすいEditions Complexe版をテクストにして、随時Fayard版を参照することにします。フランス語のできる方の積極的参加を期待しています。2003年の『出版ニュース』2月上旬号に載せた文章を再掲しておきます。この文章が掲載されてしばらくして私は個人的事情から研究活動から離れざるを得ず、今般野崎塾を開塾するにいたり、この研究へと立ち戻ることとなりました。

書きたいテーマ・出したい本

フランス・ファシズムと第三共和制

野崎次郎(思想史・フランス文学)

 フランスは第二次世界大戦中ファシズムと戦った「対独レジスタンスの国」として戦後長い間信じられてきた。確かに「ヴィシー政権」が存在したが、 それはドイツの傀儡政権で、例外的な「間違い」であった。ファシズムはフランスにとって「外来思想」にすぎず、フランス本来の文明(フランス革命や啓蒙思 想)とは無縁なものである。そのように信じられてきた。
 しかし一九七〇年代から八〇年代にかけて「ヴィシー政権」に関する研究が進み、「レジスタンスの国」とは違う「もう一つのフランス」ということが言い出 された。そしてそれに連動する形で「フランス・ファシズム論」の研究も進んだ。ファシズムはフランス文化と無縁ではないどころか、フランス・ヨーロッパ文化の必然的産物であるというのである。
 第三共和制の初期を揺るがしたブーランジスムにはすでに「ファシズムの萌芽」があり、その後のモーリス・バレスその他の系譜をたどればフランスはまさに ファシズムの宝庫である。「ヴィシー政権」は第三共和制末期の議会のもとで「正統性」を付与され、「国民革命」の旗印の下に「大衆」とともに「知識人」の 積極的な関わりのなかで誕生した。
 これらの二つの時期の研究をまとめてとらえるならば、その初期から末期にいたるまでフランスの第三共和制はファシズムに彩られていたことになる。しかもそれは「共和国の精神」(一七八九年のイデオロギー)との関連で誕生、発展してきたのである。ゼーフ・ステルネルの「フランス・ファシズム論」の要諦はそ の「自生論」にあるが、それにもまして重要な側面は、「左翼/右翼」という図式を疑問視しながら、ファシズムを左翼的伝統との関連において論じたことにあった。
 これは恐ろしい仮説だ。そして十分に検討に値する仮説である。それは「正義による断罪」が幅を利かせている日本の思想界においてはなおさらアクチュアルな問題である。

(『出版ニュース』2月上旬号、出版ニュース社、2003年2月1日発行)






↑このページのトップヘ